人形

昨日お雛さまのことを書いて思い出した。

お人形と言えば、女の子のおもちゃであり、遊び相手。
私にも大事にしていた人形がいくつかあった。
そのひとつは、赤いお洋服を着たショートヘア(ちょっとボサボサ)の抱っこ人形。
寝かせるとまんまるの目を閉じるのがうれしかった。

また、当時アメリカに住んでいた叔母があるクリスマスのプレゼントに
タミーちゃん人形を送ってきてくれた。
まだバービーちゃんなどが流行する前のこと。もちろんリカちゃんフィーバーはまだまだ。
洋服ダンス兼用の持ち手のついたカバン型の黒いケースに入れられたタミーちゃん。
4歳年上の兄の悪戯で鼻に鉛筆を突っ込まれたりして(私のではない、タミーちゃんの鼻)
鼻の穴は黒くなっていたけど、母に着替えの洋服を作ってもらったりして可愛がっていた。

さて、スクスクと成長した私が大学生になったある日のこと。
大阪を離れ東京杉並区に住んでいた私は、ある夜に夢を見た。
箪笥の引き出しから何かお人形が出てきて私に訴えるのだった。

  「顔が、顔が…」って。

その時はなんだろう?って思っていたけど、なんだかやけに気になっていたので
そのあとに帰阪した際にさがした。押入の中にずっとしまいっぱなしだったお人形たち。

まず、赤い洋服の抱っこちゃんが出てきた。
ちょっと古ぼけていたけど相変わらずボサボサ頭がかわいかった。
久しぶりだねぇ、と対面をすませ、さらに押入捜査。
すると懐かしい黒いタミーちゃんケースも出てきた。
おお、こんなのあったっけなぁ、と蓋を開けてみると…

 なんと!タミーちゃんの顔にカビが!!!

・・・「このことだったのか~!」と本当に、本当に、本当に驚いた。
ごめんね、かわいそうに、とすぐにきれいに拭いてあげた。
鼻の穴はつまようじの先に濡れたティッシュを巻いて拭いてあげた。
鉛筆の黒い色は取れなかったけど。

不気味だとか怖い、という気持ちは一切ない。
大事にしていたタミーちゃんが長い間離れていた私を呼んでくれたことが嬉しかった。
この時から、人形にはちゃんと魂がある、と私は信じている。
[PR]