『私が歌う理由(わけ)』

~合唱団京都エコー&松原混声合唱団が歌う日本の合唱曲~

2005年4月17日

すみだトリフォニーホールにて

指揮:清水敬一
・私が歌う理由(わけ) ~混声合唱のための『地球へのバラード』より
  谷川俊太郎 作詩 三善晃作曲 
・水ヲ下サイ 『原爆小景』[完結版] ~混声合唱のための~より
  原 民喜 作詩 林 光作曲
・ひろき葉は ~『死にたまふ母』~無伴奏混声合唱のための~より
  斎藤茂吉 短歌 西村 朗作曲

指揮:浅井敬壹
・ 混声合唱曲『智恵子抄巻末のうた六首』  
  高村光太郎作詩 清水 脩作曲
・あなたは風  ~混声合唱『風紋』より
  岩谷時子 作詩 石井 歓作曲
・かどで ~混声合唱曲『嫁ぐ娘に』より
  高田敏子 作詩 三善 晃作曲

指揮:鈴木捺香子  ピアノ:藤澤篤子  合唱団京都エコー
・混声合唱組曲『方舟』
  大岡 信 作詩 木下牧子 作曲
       
指揮:清水敬一  松原混声合唱団
・無伴奏混声合唱曲『骨のうたう』
  竹内浩三 作詩 新実徳英 作曲 

指揮:浅井敬壹
・海 ~混声合唱曲『水のいのち』より
  高野喜久雄 作詩 高田三郎作曲
・空と海の子守歌 ~混声合唱曲『六つの子守歌』より
  別所 実 作詞 池辺晋一郎作曲 
・混声合唱曲『岬の墓』
  堀田善衛 作詩 團伊玖磨作曲

指揮:清水敬一
・Ⅱ ~『合唱のためのコンポジションⅠ』より
  間宮芳生作曲
・死んだ男の残したものは ~混声合唱のための『うたⅡ』より
  谷川俊太郎 詞 武満 徹 作曲 
・Ⅱ ~混声合唱のための『おらしょ』~カクレキリシタン3つの歌~より
  千原英喜作曲

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プログラムだけでこんなに長くなっちゃった!

松原混声合唱団に私の小学校時代の仲良しが所属しているので聴きに行った。
先週の京都公演での前日練習中に松原混声の育ての親である指揮者の関屋晋先生が急に体調を崩され、そのまま他界されてしまったという悲しい条件の中での本当に立派な演奏会だった。関屋先生の振る予定だった曲目については、後継ぎである清水敬一氏が熱のこもった指揮。

はじまる前にあまりちゃんとプログラムを見ていなかったので、どういう曲をやるのか把握していなかったのだけれど、はじまってすぐに感じたことは「歌は祈りなんだ…」ということ。特に「水ヲクダサイ」は私にとって衝撃的だった。題名も見ていなかったのに、林光氏の無駄を削ぎ落とした音たちから私の見たことのない原爆の落ちた焼け野原の景色がまざまざと浮かんできて、殺伐としたきな臭いにおいさえする気がした。そうしているうちに、関屋先生が選ばれた曲目が、生と死についてのかなり深刻な内容のものばかりであることに気づく。

「骨のうたう」あたりでは、あまりに「深刻の積み重ね」で聞く限界だった。戦争で命を断たれた人や、隠れキリシタン、極限から祈った人たちは、21世紀の今、大勢の前で大勢の人によって歌われる演奏をどのように思うだろう。。。と思った。

あまりに深刻でちょっと息苦しくなりそうなプログラムが最後に向けて希望を見出す。
「…死んだ歴史の残したものは 輝く今日とまたくる明日 他には何も残っていない 他には何も残っていない …」 (谷川俊太郎詩)

こういう曲の中で、池辺さんや武満さんの響きはほっとする。

そして、プログラム最後の曲、同級生である千原英喜氏の作品『おらしょ』の最後はまさしく祈りで終わった。

本番を目の前に亡くなった関屋先生(合唱界の大先生と言うことを知っていただけで私は直接には存じ上げない方なのですが)が、今回のプログラムの曲目を選ばれた、ということには見えない理由(わけ)があったように思えて仕方ない。


演奏会後、甘党の青年とケーキを食べながら2時間近くも語り合ってしまった!
楽しいひとときでした。まる。
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