トラヴェルソと「冬の旅」

朝から都内某所の個人宅にての、フラウト・トラヴェルソ奏者のマルク・アンタイ氏によるマスタークラスレッスンを長女と聴講に。ヘンデルやバッハ、ロカテッリ、F.クープランなどの作品のレッスンを聞かせていただきました。通訳(英語)は前田りり子さん。テキパキとわかりやすく、よい通訳。

マルク・アンタイ氏はフレンドリーで、終始にこやかに、受講生が緊張しないようにと楽しい雰囲気でレッスンを進めておられましたが、ていねいに、できるまで何度もやり直しをさせるという根気の良いレッスン。作品全体像、構造をよく考えること、和声を鳴らしていくこと、表現しようとする「アイデア」をくっきり示せるようにすること、その中で繊細に音を扱っていくこと・・・など、納得できることばかり。音楽の作りを説明しながら、表現のためのテクニックや練習方法など。いいレッスンでした。

自然な表現のために、音のひとつひとつをどのように鳴らすかをかなり細かく考え、準備することや、音のつなげ方、切り方、あとは音質を選んで行くこと、なども、・・・これはすべての楽器、歌にも共通のことですね。


午前中に3人、お昼休憩を挟んで、午後に一人聞き、あと二人を残すところで私は次のスケジュールに駆け足。開演5分前に津田ホールに到着~!待望のシューベルト=千原英喜の冬の旅。我が故郷大阪から上京してきたタローシンガーズの東京公演。会場は満員のお客様。

ピアノと独唱の「冬の旅」に慣れているから、合唱版の響きに耳と頭が慣れるまでに、少しだけ時間がかかりました。非常に内面的で、集中力の必要な作品なだけに、大人数で演奏する場合、微妙な音程の取り方やバランス、音質、音色の選び方など、大変だろうなあと聞いていました。千原氏のもとにはシューベルトが降りてきていたようで、時々風の音が、犬の声が、叫びが・・・と、合唱ならではの描写(千原氏の解釈)が混じっており、興味深く聞かせていただくことができました。演奏は、後半にいくほど集中力も増して、アンサンブルも美しく、引き込まれていきました。作品全体を意識して最後に向けて神との距離が近づいてくるように編曲されたのだろうな、ということも、TAROの演奏でわからせていただいた気がします。

この編曲版がまた違った指揮者や、違った合唱団で歌われるとどんな風になるのかな、ということも思いました。またどこかでこの作品に出会えることを楽しみに。

今日は朝から脳味噌フル回転?で過ごしたせいか、どっと疲れました。でもいい疲れ。宮城から楽器(チェンバロ)を携えてここ数日の東京でのコンサートのために上京されている楽器製作者のKさんにも久しぶりにお目にかかれました。火曜日にはマルク・アンタイ氏らのリチェルカール・コンソートの演奏会があります。今から楽しみ!
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