上田晴子 & カントロフ  デュオリサイタル 

2007年10月4日(木)

浜離宮ホールにて

上田晴子(ピアノ)
ジャン=ジャック・カントロフ(ヴァイオリン)
    
◇プログラム
・ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ニ長調
・シューマン:ヴァイオリン・ソナタ 第1番 イ短調

・ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ト長調「雨の歌」

==============

上田晴子さんは私の一年後輩になるけれど、美人で、才女で、チャーミングで、ピアノはうまいし、いつもニコニコと落ち着いた語調で言葉を選んで話すタイプ、でも何か芯にしっかりしたものを持っていて…と高校時代から素敵な人だなぁと思ってみていた。大学卒業後フランスに留学し、そのまま向こうに住みついてしまった彼女の演奏を久しぶりで聴けるので、とっても楽しみにしていた。知らず知らずにヴァイオリンよりも、ピアノの音へと耳が向いてしまう。。。

彼女のピアノはダイナミックに弾いてもヴァイオリンの音を消すことは絶対にせず、伸びやかに心情を音にしていた。ブラームスのソナタでは、少しフランス語っぽいな、と思ったけれど(^^)それでも感情にのみ流れた音楽とは違い、曲全体の構成力がしっかりしていて説得力がある。シューマンでは変化する色を自在に表現していて、2楽章の歌もなんとも味があり、すっかり手の内に入っている演奏で引き込まれた。ベートーヴェンの速い楽章でのリズム感、躍動感を聴いていて、学生時代に彼女が弾いていたジャズを思い出す。

私は大学院の2年間、ダンディでナイーヴな今は亡きピアニスト伊達純先生に師事していた。晴子さんも伊達先生門下。年に一回(二回?)のクラスのコンパは先生のお宅近くの中華料理屋さん。食事が終わると、全員で先生のお宅に移動し、二次会がはじまる。みんなでゲームをしたり…興に乗ってきた頃、先生をはじめ、クラスのいろいろな人が並んだ2台のピアノの前に座って、あれこれ弾きはじめる。その時、毎回先生は晴子さんを呼んで、一緒にやろう、と即興でジャズを弾きはじめる。晴子さんと先生が即興のデュオ。そのセンスのよさ、リズム感のよさ、乗りのよさ…それをふと思い出した。

カントロフと上田さんの息はぴったり!フレーズが長く、繊細、かつダイナミックな表現が生き生きとしていて、自然な流れの音楽。満足な演奏会でした。
[PR]