カテゴリ:コンサート訪問( 118 )

シューベルト『冬の旅』

ローマン・トレーケル(バリトン)
原田英代(ピアノ)

東京オペラシティ・コンサートホールにて


今日は2階レフト席。こういう↓景色だった。(開演20分前の画像)
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実際にはもっとステージもピアノも近くに見えている。
こういう席なので正面で聞くのと違い、歌とのバランス等よい条件とは言えない。でも、原田さんの背中越しにたっぷりとピアノを聴くことができ、興味深かった。どちらかというとピアノばっかり聴いていたと言ってもいいかも。

原田さんのピアノはあの陰鬱な作品の主人公の心理描写や背景に見えるものを、ひとつひとつ丁寧に音で描き出していた。感性豊かで才女でもある彼女の中から溢れんばかりにわいてくるイメージが見えてくる。トレーケル氏は安定した歌唱力で淡々と、でも長いこの曲の最後向かって徐々に徐々に集中度を増していくかのようだった。

「春の夢」「からす」等々…印象的な演奏はたくさんあったけれど、特に21曲目の「宿」…ここではシューベルトのほかの作品にも見られる「死への憧れ」の響きが印象的に演奏され、このあたりから最後に向けてぐんぐん内側に迫ってきた。

あれだけの熱演をしてくださった原田さんだけれど、きっとまだまだ「もっとこうしたい」、逆に「したくない」こともたくさんあることだろう。(これは決して不満があったからではなくて、演奏家としての常だから)どんな曲でもそうだけど、特に「冬の旅」のような作品はこれからも何度も演奏して、聴かせていただきたい。5年後、10年後…の演奏が楽しみだ。ほんとに魅力的なピアニスト。

今日の演奏会は大きなオペラシティコンサートホールが8割方埋まっているという盛況ぶり。その中に多くのピアノや声楽の学生さんらしき人が来ていた。若い人たちにこのような演奏をどんどん聴いてもらえることはとってもいいことだと思った。
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ヘンデル:オラトリオ メサイヤ

指揮:今村能
管弦楽:フィルハーモニア多摩
ソプラノ:佐竹由美 アルト:須永尚子 テノール:辻秀幸 バス:黒田博
合唱指揮:仲子誠一

於:ミューザ川崎シンフォニーホール

4階席レフト中央寄りで聞いた。舞台は遠く、照明の上側も見えるほど高さがある。でも、音響はよく、響きがいい具合にまざって、ソリストの声もよく通って聞こえてきた。オルガンの音もよく聞こえてきた。

団員の方の了承なしに画像をアップさせていただきますが、4階席からの風景。豆粒ほどにしか写っていませんが休憩直後の入りの画像。不都合ありましたらすぐに消しますのでご連絡を。よろしくお願いいたします。
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下の画像は昨年オルガンの演奏会を同じホールで聞いたときの2階ライト寄りの席からうつした景色。ずいぶん高さが違うもの。(あたりまえだけど)

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学生の頃、東京文化会館の天井に頭がつきそうな5階席でよく聞いたことを思い出す。安くて響きもよかった。
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MUSICASA(代々木上原)にて

◆プログラム
・ベートーヴェン:ピアノソナタ第7番ニ長調作品10-3
・ベートーヴェン:ピアノソナタ第8番ハ短調作品13「悲愴」

・ドゥシーク:ピアノソナタヘ短調作品77「祈り」
・リスト:コンソレーション第3番変ニ長調
・リスト:ラ・カンパネラ

(アンコール)
・タイユフェル:ラルゲット
・カスキ:泉のほとりの妖精

このシリーズも4回目。第2回目は自分の本番と重なって聞きに行けなかったが、それ以外はかかさず聞かせていただいている。相変わらず、落ち着いた音色と安定したテクニック。ムジカーザは少し小振りのベーゼンドルファーがほどよく響いていいかんじ。ベーゼンの似合うピアニストだ。彼の音楽は、まず文法がしっかりしていて自然な流れ、心地よい抑制、時に粗野とも思えるような打鍵(乱用しないからいい!)、暖かく深い音色…

とりわけ、緩徐楽章ではなんともいえない穏やかさと寂しさが聞こえてくる。彼の緩徐楽章を聞いていると、心の中に悲しみや寂しさを持っていてもそんなこと関係なしに時は静かに流れていく…少し視野を広げて、人間は皆それぞれに様々な思いを抱えているけれど地球は回り時は流れ続ける…広大な宇宙が静かな呼吸と共にゆったり息づいている、と言ったような。。。そんな思いになった。

ラ・カンパネラのような技巧的に大変な曲も彼の手にかかるとあまり大変そうに見えないから悔しい。華やかに技巧をひけらかすタイプではなく、確実に音楽を聴かせてくれる職人的ピアニスト。もちろんカンパネラの華やかな音型は華麗に美しく響いていました。

ドゥシークのソナタは初めて聴いたが、晩年の作品ということで、プログラム解説にも書いてあったが、ロマン派の先取りのような音楽が聴かれ、とても興味深かったし、いい曲だった。

アンコールにはいつものことだが、あまり聞くことのない洒落た小品を聞かせてくれるところなどにくい。

今回のベートーヴェンのソナタ第7番は、初期のソナタで私が一番好きな曲。やっぱりいい曲!時間に遅れそうになり、でも、7番には遅れられない!と駅から必死で走って会場に到着。ちょうど演奏者がうしろの扉から入ろうとするところと遭遇し、どちらが先に入ろうか?なんてことを相談してしまった。。。出番直前の大事な時に、集中力を削ぐようなことしてごめんなさい。…そんなこと関係なく、すばらしい7番を聞かせてくださいましたが。

☆この演奏会の詳細(予定)についてはこちらのHPの「連続演奏会」よりご覧ください

♪♪♪♪♪♪♪

実は今日、この演奏会を聴きに行く前に、太極拳の「技能検定試験」というものを初めて受けてきました。慣れないことで結構緊張しました。試験が終わった直後に、試験会場横においてあった血圧計で血圧を測ったら、いつもより高かったし。でも面白い体験でした。…結果は後日通知ということ。
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某音楽高校の校内演奏会。年に4回、生徒達の手で行われている。

◆プログラム
・プロコフィエフ:2つのヴァイオリンのためのソナタ作品56
               第1.2.4楽章
・シューベルト:ピアノトリオ第1番作品99 第4楽章
・ドップラー:2つのフルートのためのアンダンテとロンド
・モーツァルト:協奏交響曲 第2.3楽章(Vn.Va.Pf.)

・シューマン:サロンカルテット(Fl.Vn.Vc.Pf.)
・バセウィッツ:4つのヴァイオリンのためのカルテット
・モーツァルト:クラリネット五重奏曲 第1.4楽章

出演者は主に3年生。2年生のグループが二つ。
かなりハイレベルな演奏もあった。
(プロコのドッペルソナタとモーツァルトのクラ・クィンテット)

音量のバランスなど、もっとよくなる演奏もあったけど
これから経験を積めばよくなっていくことでしょう。

ドップラーでは長女が同級生と演奏。
のびのびと楽しそうに好演、だったと思います、ということで。
(欲を言えばキリはなく、まだまだこれからですが…^^;)
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今日銀座で買ってきた柏餅。よもぎつぶあん、と、みそあん。美味。
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柏餅と言えば、先日お雛様を片づけた時に入れ替わりに出てきた我が家の兜。さすがにもうこのところ何年も鯉のぼりは出さないけれど兜を見るのは好き。力強い。

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風邪も治ってきた。鼻も喉も今日はほとんど異常なし。喉がひどくなった時に、二晩超立体マスクをして寝たら悪化しなかった。この超立体マスクは私のお気に入りグッズのひとつ。昨日は午前中太極拳でちょっと気合い入れて練習したのもたたって、夜はバタンキュー。昨夜はアスペレンのコンサートだったけれど、ブログもさぼったので今日簡単にご報告!


♪ボブ・ファン・アスペレン チェンバロ・リサイタル

~バッハとその先駆者たち~

ハクジュホールにて

◆プログラム
・スウェーリンク:大公の舞踏会
           涙のパヴァーヌ
・フレスコバルディ:トッカータ第10番
            ガリアルド第5番
・フローベルガー:トッカータ ニ短調
           組曲第12番ハ長調
           「王子フェルディナンド4世殿下の悲しい死に寄せる哀悼歌」

・J・S・バッハ:フランス組曲第1番BWV.812
         シャコンヌ(編曲:アスペレン)


とてもよかった。…ってこれじゃ感想にはならないですね。前半聞いた場所がうしろすぎたのか、会場がチェンバロには広すぎるのか(こじんまりしたホールだけど)音がくっきり聞こえてこなかった。それでも音楽の輪郭はハッキリしていてとてもおもしろく聞けた。少しぼやけて聞こえる分、チェンバロが夢を繰り出す魔法の箱のように見えた。

休憩後、3列か4列前に座席を移動したら、まったく違ってクリアな音、余韻が聞こえてきた。これがピアノの演奏会だったらずっとうしろで聞くだろうなぁ、とまだまだ聴衆としてもチェンバロ初心者であることを痛感。前に移動すると今度はステージの高さが気になった。同じ高さで聞きたい気がした。

アスペレンはとにかく、チェンバロと音楽を自在に扱っているというかんじ。もっと多くの人がこういう演奏会を聴くといいのに。にこやかで暖かいステージマナーもいい!


長くなったけど、もうひとつだけ。
昨日はじめて訪れたハクジュホール。300席ほどのきれいなホール。ここで今年10月21日(金)いつもお世話になっている(いや、お世話している?)テノール歌手の辻秀幸さんのリサイタルがあり、待望の共演をさせていただきます。詳細は決まり次第おしらせします。お楽しみに!私も楽しみ!!
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~合唱団京都エコー&松原混声合唱団が歌う日本の合唱曲~

2005年4月17日

すみだトリフォニーホールにて

指揮:清水敬一
・私が歌う理由(わけ) ~混声合唱のための『地球へのバラード』より
  谷川俊太郎 作詩 三善晃作曲 
・水ヲ下サイ 『原爆小景』[完結版] ~混声合唱のための~より
  原 民喜 作詩 林 光作曲
・ひろき葉は ~『死にたまふ母』~無伴奏混声合唱のための~より
  斎藤茂吉 短歌 西村 朗作曲

指揮:浅井敬壹
・ 混声合唱曲『智恵子抄巻末のうた六首』  
  高村光太郎作詩 清水 脩作曲
・あなたは風  ~混声合唱『風紋』より
  岩谷時子 作詩 石井 歓作曲
・かどで ~混声合唱曲『嫁ぐ娘に』より
  高田敏子 作詩 三善 晃作曲

指揮:鈴木捺香子  ピアノ:藤澤篤子  合唱団京都エコー
・混声合唱組曲『方舟』
  大岡 信 作詩 木下牧子 作曲
       
指揮:清水敬一  松原混声合唱団
・無伴奏混声合唱曲『骨のうたう』
  竹内浩三 作詩 新実徳英 作曲 

指揮:浅井敬壹
・海 ~混声合唱曲『水のいのち』より
  高野喜久雄 作詩 高田三郎作曲
・空と海の子守歌 ~混声合唱曲『六つの子守歌』より
  別所 実 作詞 池辺晋一郎作曲 
・混声合唱曲『岬の墓』
  堀田善衛 作詩 團伊玖磨作曲

指揮:清水敬一
・Ⅱ ~『合唱のためのコンポジションⅠ』より
  間宮芳生作曲
・死んだ男の残したものは ~混声合唱のための『うたⅡ』より
  谷川俊太郎 詞 武満 徹 作曲 
・Ⅱ ~混声合唱のための『おらしょ』~カクレキリシタン3つの歌~より
  千原英喜作曲

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プログラムだけでこんなに長くなっちゃった!

松原混声合唱団に私の小学校時代の仲良しが所属しているので聴きに行った。
先週の京都公演での前日練習中に松原混声の育ての親である指揮者の関屋晋先生が急に体調を崩され、そのまま他界されてしまったという悲しい条件の中での本当に立派な演奏会だった。関屋先生の振る予定だった曲目については、後継ぎである清水敬一氏が熱のこもった指揮。

はじまる前にあまりちゃんとプログラムを見ていなかったので、どういう曲をやるのか把握していなかったのだけれど、はじまってすぐに感じたことは「歌は祈りなんだ…」ということ。特に「水ヲクダサイ」は私にとって衝撃的だった。題名も見ていなかったのに、林光氏の無駄を削ぎ落とした音たちから私の見たことのない原爆の落ちた焼け野原の景色がまざまざと浮かんできて、殺伐としたきな臭いにおいさえする気がした。そうしているうちに、関屋先生が選ばれた曲目が、生と死についてのかなり深刻な内容のものばかりであることに気づく。

「骨のうたう」あたりでは、あまりに「深刻の積み重ね」で聞く限界だった。戦争で命を断たれた人や、隠れキリシタン、極限から祈った人たちは、21世紀の今、大勢の前で大勢の人によって歌われる演奏をどのように思うだろう。。。と思った。

あまりに深刻でちょっと息苦しくなりそうなプログラムが最後に向けて希望を見出す。
「…死んだ歴史の残したものは 輝く今日とまたくる明日 他には何も残っていない 他には何も残っていない …」 (谷川俊太郎詩)

こういう曲の中で、池辺さんや武満さんの響きはほっとする。

そして、プログラム最後の曲、同級生である千原英喜氏の作品『おらしょ』の最後はまさしく祈りで終わった。

本番を目の前に亡くなった関屋先生(合唱界の大先生と言うことを知っていただけで私は直接には存じ上げない方なのですが)が、今回のプログラムの曲目を選ばれた、ということには見えない理由(わけ)があったように思えて仕方ない。


演奏会後、甘党の青年とケーキを食べながら2時間近くも語り合ってしまった!
楽しいひとときでした。まる。
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今日は私のチェンバロの師であり、よき友人(なんて言ったら失礼かな?)である古賀裕子さんのリサイタルだった。

近江楽堂にて  

◇プログラム
L・クープラン:組曲イ短調
フローベルガー:組曲ニ長調
J.S.バッハ:イギリス組曲第2番イ短調BWV807
ラモー:新クラヴサン曲集より  未開人、トリオレ、エンハーモニック
     組曲イ短調 アルマンド、クーラント、サラバンド
フォルクレ:第5組曲ハ短調より
                ~ラモー、モンティニ、シルヴァ、ポワソン、


落ち着いた雰囲気の近江楽堂にて、17世紀フレンチと18世紀フレンチの2台の楽器を使って。クープランとフローベルガーで使った小さな17世紀の楽器の響きはその楽器の大きさから想像するよりずっと大きく豊かだった。古賀さんの演奏は切れ味がよく、時に大胆、そしてとても優雅。音もきれいで伸びてくる。特にラモーがよかった。古賀さんがフランス語を話せるのかどうかは知らないけれど、気負わずに自分の言葉として語られていた。フローベルガーもいいなぁ。フォルクレもなかなか!自由にチェンバロが弾けるようになるといいなぁ、と思いながら聴いたあっという間の1時間半だった。
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♪東京文化会館小ホールにて

梅田俊明(指揮) 青盛のぼる(ソプラノ)

◇プログラム
・ロッシーニ: 弦楽のためのソナタ第1番ト長調
・ヘンデル: この方は処女の中の元后 HWV.235
・ペルゴレージ: カンタータ「オルフェオ」
・ヴィヴァルディ: モテット「まことの安らぎはこの世にはなく」

・バルトーク: 弦楽のためのディベルティメント

(アンコール)
・バルトーク:ルーマニア舞曲

東京ハルモニア室内オーケストラは、ヴィオラ奏者で指揮者だった故浅妻文樹氏のもとに集まった当時若かった弦楽奏者たちで編成されていた東京アカデミカー室内オーケストラが、浅妻先生の亡くなったあとに改名し、活動を続けてきたオケ。改名してからもう20年になるらしい。一番の若手が私よりほんの少し下の人たちのようだから熟年揃い。そのせいか硬い音を出す人がおらず響きがとても心地よかった。(年取ってればいいってもんでもないけど!)メンバーのほとんどが女性っていうのも同性としては頼もしい限り!ただ、熟年の良さはあるけど今後長く活動を続けてほしいと思うと、若手がいないことは問題かもしれない。
それにしても、バルトークは美しい!バルトークの弦楽の響きってほんとにいい。

上野の桜の様子を見てこようと思ったけど、途中渋谷で用事をすませたあと、ちょっとウロウロ寄り道してたらギリギリに上野に到着で公園の中までは行けなかった!残念。
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