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ケンプのベートーヴェン

昨日、BS2で午前中やっているクラシック倶楽部という番組を見た。

まずフルニエ(チェロ)とジャン・フォンダ(ピアノ)でベートーヴェンのチェロソナタ4番と5番、そしてケンプ(ピアノ)の演奏でベートーヴェンのピアノソナタ「テンペスト」。

どちらも言葉がなくなるほど素晴らしいものでした。フルニエのチェロは音だけ聞いていると、力強く、また柔らかく、多くを語っているのに、その演奏する姿を見ているとほとんど動いていない。もちろん、指はまわっているし、弓だってきれいに動いているけど、無理のない姿勢でおへそから音楽が出てきているというかんじ。気品があってかっこいい。息子のジャン・フォンダのピアノも骨格が太く、それでもしなやか。これを聞いていると、ベートーヴェンって、音楽って、やっぱり男性のものなのかしら、と思ってしまう。作曲家のほとんどは男性なわけですから。ま、そうは言っても、女性の私もこれからも弾かせていただきますが。

ケンプの演奏はそれを上回る感動。録音も新しくないものなのにすばらしいと思った。細かい音のニュアンス、音の表情の変化が浸みてくる。楽器は弾いてはいけない、と思った。いや、弾かないわけにはいかないけれど、楽器を弾くことを目的に弾いてはいけない、ということかな。偉大な作曲家の書いた作品があって、その作曲家の言いたかったことを演奏家は楽器を通して再現していく。すごく崇高な作業。

今日の放映ではアマデウスカルテットの演奏をやっていた。雑用があって、最後のブラームス:クラリネット五重奏の3楽章(クラリネット:ジャック・ランスロ)、を聴けただけだったけれど、これもすばらしい。明日、明後日もいろいろあるみたい。歴史的名演の数々を見られることに感謝。刺激大!

心が洗われた。来週27日の演奏会に向けて、また新鮮な気持ちで向かえそう。^^